北海道リベンジ<3日目>ゆけ、ゆけ、登山者達

2017年12月3日日曜日

2014.07北海道

t f B! P L
ぐっすり眠っていたところを、同期にやにわに起こされる。
時計を見ると、5:55と表示されていた。

「なんだよ、まだ6時じゃん…早くない?」
「今から十勝岳に登ろうぜ」
「イ、イクー」

というわけで、いきなり登山することになった。
美瑛リベンジが果たせないのは残念だが、既に一度体験していることだし、タダで車も出してもらえると言うなら、こういう機会を逃す訳にはいかないだろう。

道民らしくセイコーマートでソフトカツゲンを買うなどして、十勝岳に向かう。
あまり地理がよく分からなかったのだが、旭川から十勝岳に車で向かっていると、見慣れた景色が飛び込んできた。そう、ここは美瑛駅前である。
どうも富良野国道が富良野線に沿って伸びているようで、美瑛駅前あたりから分岐する道道を行くと、十勝岳登山口に到着するようである。
ちなみに道道というのは北海道でいう県道であり、まさか本当に道道と言うとは思わず、ふざけてんのかと思ってしまった。ふざけてなどいない。道民は大真面目である。

しばらく進むと、十勝岳望岳台の駐車場に着く。ここから歩いていくというわけだ。
十勝岳は標高2077mと、まあ高い。駐車場も標高900mちょいとは言え、そこそこに登ることがわかる。

と言っても、当然登山をするつもりなんか無かったので、そういう装備はまったくない。
帽子にジャージ、レインコートをつけて、なんとなくそれっぽい服装にはなったものの、いかんせん足元がスニーカーである。
登山のスペシャリストであるはずの同期は「ヘーキヘーキ」というが、北海道の山ってそんな心構えで登れるものなんだろうか…?

兎にも角にも午前8時頃、登山開始である。
山道はしっかり整備されているという感じはしないが、かと言って難所もなく、歩きやすい印象を受ける。
後半になるとかなり広い道も出てきて、ハイキング感覚になる。
とはいえ標高1500mも超えれば本格的に寒い。
特に疲れも感じなかったので、できるだけノンストップで歩き、体温を維持する。

登山客は年寄りがほとんどで、まぁ平日なのだから当然なのだが、行き交うたびに挨拶をすると「ずいぶん軽装だねえ」「それ普通の運動靴かい?へえ…」と容赦なくディスられる。
すいません、道民の皆さん、山をナメてごめんなさい、でもこいつがいいって言うから…と心のなかで唱えつつ、にこやかに対応する。

そして午前10時頃、頂上に到着。
さすがに2000mクラスともなると眺めは抜群である。
そして寒さも抜群である。
もういいや、帰ろうぜ、と促す。

下山道…と言っても登山道と同じルートを通るので、道自体に特に新鮮な感じはしない。
しかし登る時は山肌を見ているのに対して、下りる時は周りを眺めながら歩くことが出来る。
これは全く飽きない。実に写真撮影も捗る。
腰のベルトにデジカメケースを取り付けていたのだが、頻繁に写真を撮りたくなるのでケースの蓋を締めるのももどかしい。
忙しく写真を撮りつつ、ヒョイヒョイ下りていく。

往復四時間で駐車場に到着した。

空も晴れてきたので、朝とはまた違う風景に出会うことが出来た。
よし、ここでいっちょ写真を…

あれっカメラは?

カメラは?

カメラはどこ?



あっ…ケースの蓋が…

ふーんなるほどね…そういうこと…
泣きながら温泉に入る。
ウウッなんて気持ちが良いんだ…

カメラをなくしたのはショックだけど、それ以上にせっかく撮った写真が失われてしまったのが本当に悔しい…
もうここからはスマホのカメラで撮るしか無いのか…
まぁ今時、画質もそんなに変わらないって言いますしね、はい…
デジカメのほうが写真の管理が楽なんだけどね…

あーあーあー死にたいヨーと唸りながらも、同期の手前、無理に明るく振る舞う。
次の観光地はどこかな?
十勝岳から少し戻ったところに、「しらひげの滝」がある。
が、滝よりも見せたいものはこれだと言って、案内してくれた。
橋から下を覗くと…
おわかりだろうか?川の水が青いのである。
ここから2kmほど離れたところに、かの有名な「青い池」があり、そこにそそぐ川もまた「青い川」と呼ばれているそうなのだ。
実物は初めて見たので興奮する。

じゃあ池の方まで行こう、と言って車を少し走らせると、すぐに大きな駐車場に行き着いた。
さすがに俺でも名前を知っているだけあって、かなり流行っている観光地らしい。
観光バスが何台も止まっていた。
駐車場から歩いていくと、もう既に青い。
しばらく進むと、いきなり視界がひらけた。
お、おおお、おお!!!!!!!!
予想以上に青い。しっかり青い。
インスタで加工せずともこの色合。

青い池が青い理由は実はまだよくわかっていない…と訳知り顔で説明されたが、Wikipediaにはちゃんと化学反応のせいだと書いてあった。
現地民も結構適当だな。
ここに来たのは2014年だったが、青い池は2016年に北海道を襲った台風の影響で茶色い池となり、護岸崩壊などの理由で立入禁止となったが、2017年現在は護岸、色ともに復旧しているようである。
よかったよかった。

青い池を後に、次は北美瑛の方にある「ぜるぶの丘」を目指す。
去年行った四季彩の丘は、季節のせいかもしれないが、そこまでびっしりと花畑が見えるわけではなく、少し物足りなかった。
そこにくるとこっちの方は、いかにも「見せる」花園だった。
入り口から、色とりどりの植物が出迎えてくれる。
よい香りも充満しており、全く飽きない。
恥ずかしながら植物についてあまり造詣が深くないので、どれか何やらさっぱりだった。
ラベンダーとパンジーくらいは分かったが…
同期は植物にも詳しいらしく、あれこれと教えてくれる。
そういう人うらやましい。かっこいい。
高山植物わかる人ってかっこよくないすか?
でも、分からないでも分からないなりに楽しめるのが花の良さなのかな、とも思った。
わーきれーいすごーいしか言えなかったが、それでもいいのかな、そういうもんかもしれない。
それで十分なんだ。そういうことにしてくれ。

ここで時すでに15時。まだ昼飯を食べてなかった。
旭川まで戻り、オススメのラーメン屋に連れて行ってもらう。
ラーメン「つるや」。ネット上の評判もなかなかのもんである。
旭川ラーメンというジャンルがあるらしく(最近は本当に何でもありだな)、札幌でよく見るような塩や味噌ではなく、醤油ベースなのが特徴。
でも味噌がうまいらしいので味噌にした。
ウッメェ。
午後三時過ぎ、旭川駅前で降ろしてもらい、ここで別れることにした。
一応、旭川駅前の交番に行き、遺失物届を出すことにした。
なんか…旅先で交番に行くの、二度目だな…(落涙)
結論としては、カメラは見つかりませんでした。はぁ。

写真が無くとも、この眼が覚えてるさ(決まった…

ここから特急に乗り、一気に網走まで向かう。
復習ですが、網走は北海道の右上です。
はい着いた。(4時間経過)
時刻はすでに午後8時半。人もまばらである。

豪雪地帯だからなのであろう、改札口には一つ一つに扉が付いていた。
北海道でも初めて見るパターンだった。

網走といえば刑務所!と信じてやまなかったが、「流氷のまち」として売り出しているようである。
確かに網走はオホーツク海に面している。
船で流氷を見にいくツアーもある、ということを聞いたことがあるし、何より「網走といえば監獄」というのはイメージ的によろしくないのかもしれない。
網走市民的にはあまり触れてほしくないポイントなのだろう。
と思ったけどそうでもなかったらしい。
ところで「網走市民」ってネットランナーってルビ振れそうじゃない?どう?

網走駅の外観は、良くも悪くも普通。
確かに北海道でも田舎の方だが、ターミナル駅なので、駅舎自体はそれなりに立派である。
駅前には大きなホテルが二軒あり、ローソンもあった。
あるのだが、これ以外には何もなかった。
ちなみに今回泊まる宿はここではない。
駅の裏手に回り、真っ暗な踏切を渡る。
えっこれ普通に怖くない?遮断器も警報機もないし。
よく見ると「DANGER ZONE」とか書いてあるし。
道あってるよね?
異世界への入り口っぽくてちょっと不気味ではある。
歩いて程なくして今夜の宿に到着。

ここが今日泊まる、「民宿ランプ」
素泊まり2500円。激安かよ。
激安だけあって、共用部はこんな感じ。
水場は全て共用。
いわゆる田舎の民宿って感じだ。
それにしても人っ子一人いない。
自分の他には宿泊客がいないのだろうか。

一人なのに部屋が八畳だったので、あながち間違いでもないかもしれない。
気を遣って広い部屋にしてくれたのだろうけど、それはそれでちょっと落ち着かない。
なんだか押入れの隙間やカーテンの間まで気になってくる。
さらに悪いことには、壁に謎のボロい上着がかけてある。
なんだかもう本当に怖くなってきたので、一旦宿を出て徘徊することにした。
徘徊することにしたは良いが、真っ暗で何も見えない。
とりあえず明かりのある方に向かってみる。
すると、なんとボウリング場を発見。
こういうところはたいてい午後八時くらいには閉店してしまうものと思っていたが、意外と営業しているものである。
お客さんも一応いた。
それほど古臭い印象も受けない。
網走市民の憩いの場なのだろうか。
少しリフレッシュして宿に戻り、布団を敷いていると、突然部屋のドアノブがガチャガチャと音を立てた。
そして次の瞬間には、屈強な男たちが突然部屋に闖入してきたのだ。
なんだ!?囚人か!?脱獄囚か!!??

もうこれにはビビった。怖すぎて泣くかと思った。
しかも「ここは俺達の部屋だ、誰だお前は」などと抜かすので、思わず「ハイスイマセンデシタ」と言ってしまうところだったが、いやいや俺は女将にこの部屋まで通されたんだし、置いてある荷物だって俺のだぞ、と思い直す。

お互い首を傾げながら連れ立って受付まで行くと、何の事はない、女将が間違って通してしまったらしい。
俺の方を。
マジで勘弁してくれ…
道理で部屋が広かったり、謎の上着がかかってるわけだよな…
それにしても怖い思いをした。

さて、せっかく日本の東端のほうに来たのだから、朝焼けでも拝もうじゃないか。
と思いついて調べたらなんと日の出時刻が3時55分。バカじゃねえのか。
明日は普通に市内を観光するとしよう…

旭川1642-2037網走

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