北海道リベンジ＜5日目＞釧路湿原

道東の朝6時の空気はキンと張り詰めている。
自分でもらしくない早起きだ。

部屋のメンバーもオーナーも起きていないので、唯一起きてる犬と遊ぶ。
犬好きじゃないけど。
朝食が朝7時から用意されている。これもオーナー手作り。
こういうパターンの宿はほぼ未経験なのでドキマギする…
が、リビングでみんなで囲む食卓も悪くない。
周りみんなハーレーダビッドソンのオッサンばかりだけど。
8時に宿出。
空はどんよりとしている。
まぁ雨じゃないだけ良かったとしよう。
摩周駅前まで戻ってきた。
画面左には「日本一周中」と書かれた自転車の二人組がいる。
旅してるとよくこういうのに会うが、自分も一度やってみたかったなあとつくづく思う。
ちなみに摩周湖は意外と摩周駅から遠かったし、坂が激ヤバイので諦めることにした。
いつか車で来たその時のために…。
ここ摩周駅は、釧網線の網走・釧路両駅のちょうど中間あたり。
南下して釧路方面に進む。
一両編成のキハ54はノロノロ進む。
のんびり車窓からの眺めを楽しんでいると、運転士が汽笛を連打し始めた。
この長閑な風景にうるせえな…と、視線を前方から横に移す…と、

シカでした。

なんとシカが。
シカが二頭。

汽車と並走していた…
北海道はそんなことがあるのか…
さて、時間が余っているので、どこかで途中下車と思っていたところ。
適当な駅で降りてみる。ここは塘路駅。
なんも調べてないけど、まぁなんかあるだろ。
うーん…なにかあるのか？
とりあえず汽車を下りて展望台を目指してみる。

駅前の看板地図を眺めていると、じいさんに話しかけられた。
展望台に行く旨を話すと、慌てた顔で、展望台への坂道は土砂崩れで通行止めになっていると告げられた。
それは困る。せっかく下りたのに。次の汽車は何時間後か分からないし…

「塘路は他になんかないの？」
「無え！」
「ねえのか！」

途方に暮れて駅の方を見返すと、な、なんとさっき下りた汽車がまだ停車しているではないか。
慌てて自転車を担ぎ、ダッシュ。汗だくだが、ギリギリ間に合った。
危うく路頭に迷うところだった。塘路だけにね。
次の細岡で下りる。
目的地はこの次の釧路湿原駅。一駅くらいならなんとかなるだろう。
この細岡駅も何があるかわからないけど…
オッ、、、塘路が可愛く感じるくらいに何もない…
駅舎は1993年に改築されたばかりらしく、やけに新しい。
色も周囲の風景に不釣り合いすぎるくらい明るい。
駅前は…商店も民家もない。建造物がない。
あるのは誰も通らない道路と電柱のみ。
本当に何もない。
道からは湿地が見える。
これがもう釧路湿原なんだろう。
ウッ、、、ついに舗装が適当になってきた。
こんなことあるのか。
小径自転車にはつらい。まともに走れない。
街灯もないし、まぁいらないんだろうけど、ちょっと田舎すぎてやべーよ。
ただ森を切り開いただけの、何もない道を進むと、もう釧路湿原駅まで来てしまった。
しかしここからは車両進入不可。しかも砂利道…
駅までのアプローチが舗装されていないどころか砂利道ってなんだ？
前代未聞だ。
こんな道に駅なんか…あ、あった。
駅舎は細岡駅と似た感じ。
ちょっとお菓子の家っぽい。
中もキレイだが、ちょっとスッキリとしすぎている。
もちろん誰もいない。いるのは虫だけ。ちょっと刺されてしまった。
ホームはシンプルな単式ホーム。
しかし本当に森のど真ん中だなぁ。
駅には何もなさそうなので何か無いか探してみる。
あ、あった、展望台への…
いや、これ道か？道なのか？獣道じゃないのか？
JRの駅前の光景とは思えない…やっぱり北海道は違うなあ
上に登るといきなり開けた。
奥に見えるビジターセンターに立ち寄ることにする。
夏とは言え、もうここまで来るとかなり寒い。
加えてさっき虫に刺されたところが腫れてきた。
ここには喫茶コーナーもあるので一休みすることに。
釧路湿原と言えば、有名な展望台があるはず。
写真で何度も見てきた。
看板はやたらと多いので迷うことはない。
着いた…けど霧が濃くて見晴らしは悪い。
加えて、空の曇天も視界を妨げる。
これでは広大な自然を目の前にしたという感動も薄れてしまう。
まぁ、こればっかりは天運だから仕方ないのではあるが…
釧路湿原は晴れる日も少ないらしい。
いくら湿気の少ない北海道とはいえ、このあたりはそうもいかないんだろう。
観光客も少なくないが、みんな滞在時間は短い。
とはいえ、こういう光景はめったに見れるものではない。
人工物も見えないし、たいていこういう風景につきものの山もない。
意外と飽きないものだ。
飽きないのだが、いかんせん寒い。
外気温が15℃だったんだが、いま7月だぞ…
コーヒーが美味い。
さて、帰ろう。
釧路駅まで来た。
今日は札幌まで行くので、残念ながらここでは時間を使わない。
いつかまた来よう。
一応駅を探索する。
ちょっと高松駅っぽくない？
駅前は結構栄えてるが、見渡す限りホテルしかない。
いや本当に、この写真、ホテルしか写っていない。
なんなんだ、釧路…どういう町なんだ。
駅はなんというか…
小田急沿線の、町田あたりの古いマンションっぽい。
たぶんここも、駅を中心とせずに発展している町なんだろう、きっと。
釧路駅と言えば、構内で売っている駅弁が有名だとどこかで聞いたことがある。
昔はホームに売り子がいて、客は列車の窓から購入したものだと。
決してJKを撮ったわけではない。
お、ワゴンで売ってた。このスタイルは今まで見たことがないと思う。
意外と売り切れが多く、選択肢が少なかった。
かに釜飯。いかにも釧路らしい。
いや釧路でカニ獲れるか知らんけど。
ウワーッ具だくさん。
ひとつひとつに味が染みてて美味い。
スーパーおおぞらは西へ向かう。
4時間半後、札幌に到着。
いくら特急とは言え北海道はデカい。
全然距離感がわからないな。
うーんさすが札幌は人間が多い。
ついさっきまで無人駅にいたから人酔いしそう。
前回の北海道2日目でお世話になったフォロワーと再開してジンギスカンを食らう。
実は北海道でのジンギスカンは未体験。
千葉のマザー牧場では食ってたけどね…
わざわざ札幌まで来てカラオケに行くとは思わなかった。
いやこのデュエット、一度やってみたかったんだよね…
クレヨンしんちゃん好きな人をフォローしていて本当に良かった。
なんと札幌の宿が見つからなかったので風呂屋に泊まります。
すすきのはなんでもあるな。

摩周837-944細岡　釧路湿原1238-1306釧路1333-1744札幌