紀伊半島巡礼＜3日目＞千畳敷

白浜の朝は早い。
夜の間にガイドブックを読んだりスマホをいじっていたら、行きたいところが増えてしまった。
チェックアウト時間が遅めなので、8時頃に大荷物を置いて出かける。

まだ雨は降っていない。
宿を出たすぐのところにローソンがあるので、朝食はそこで調達できる。
今日の目的地は幸い徒歩圏内にある。嫌いなバスに乗る必要はない。

名勝、三段壁はすぐ近くにあった。
殺風景だが、結構な名所らしく、入り口にそこそこの数の出店が並んでいた。
まだ朝が早く準備中のところも多かったが、トウモロコシの焼ける良い香りがした事を覚えている。
イメージとしては東尋坊に近い。行ったことないけど。
断崖絶壁らしく、「いのちの電話」とか「相談してください」みたいな看板が多く立ち並んでいた。
なんなら、昔ここで自殺したとかいう人の辞世の句が彫ってある岩なんて言うのもあった。
藤村操かよ…
もちろん、壁の先の方は立入禁止。
誰もいなかったので少し超えてみようかとも思ったが、洒落にならない高さなのでやめた。
結構チキンである。
三段壁から徒歩10分位で、ある温泉にたどり着く。
崎の湯は海に面した露天風呂として名高い。
しかも自然の地形をそのまま利用しているそうなのだ。
確かに風呂というよりは、温泉が湧いたところに掘っ立て小屋を作りましたという感じがして良い。
浴場は手前が女湯、奥が男湯なので視線の気遣いが難しい。
結果として客が自分一人しかいなかったので何も問題なかった。
ていうかあの展望台からこの温泉丸見えなんですけど…あ、だから男湯が奥なのか。
ちなみに海に面していることにはいるのだが、肝心の海は見えない。
ちょうどコップに半分くらい水が入っているような状態だ。ヘリが高すぎる。
まぁ、そういう地形なのだから仕方がない。よじ登れば海は見えるがいかんせん寒い。
しかもフナムシがちょいちょい湧いてくるので、潔癖の人間にはちと苦しいかもしれない。
宿から荷物を引き上げて千畳敷へ。
というか千畳敷って青森の方でも見かけた気がする。
なんなら駅名にすらなっていた。結構全国にあるもんなんだろうか。
ただこちらは向こうとは違って、しっかり観光地化されていた。
駐車場も広く、物販なども充実している。
千畳敷は、波によって古い地層が少しずつ削られていったことにより出来た地形だ。
ただの地形だろ？と思っていたが、実際にそこを歩いて、まじまじと眺めていると結構面白いものである。
なんというか、フラクタルのミルフィーユっぽい(伝われ)
見た目以上に地層は頑丈にできていた。
自然の作り出した愉快なアップダウンを次々に飛び移るだけでも楽しい。
時間的にもまだまだ人が少ないので景観を独り占めできる。
お、、、またマグロじゃないか。
こういうのを見ると放っておけないんだよなぁ。
海を見ながら食べられるイートインコーナーもあったが、バスの時間が迫っているので持ち帰りにする。
モスバーガーより少し大きいくらいのサイズ。テイクアウトにすると、決して食べやすいサイズではない。
しかしこのマグロカツとタルタルソース、トマトが実に良く合う。
見た目以上に味が濃く、豚にはないサッパリ感がある。これは正解だった。
バスに揺られ、白浜駅へと戻る。
ここからはほとんど帰るのみである。
来る時は名古屋から、帰りは和歌山・大阪から。
紀伊半島を時計回りにぐるりと周回する形となった。
そして意外と和歌山界隈の鉄道事情がよろしくない。

和歌山駅に到着。中心街は駅から少し離れているが、風邪を引いてしまいそこまでいく元気がなかった。和歌山城にも行きたかったのだが…
駅前には取り立てて何があるというわけでもなかったので、適当に商店街を散策する。
なんとなく寂れた感じはあるが、アニメイトとゲーセンはあった。だから何だ。
小腹がすいたのでラーメン。
この「井出商店」は和歌山ラーメンの名を全国に知らしめた…と言われているらしいが、和歌山ラーメンというのは初めて聞いた。本当に全国区か？
ただ行列はなかなかのものだった。このへんでも人気なのは確からしい。
味はと言うと、結構普通の中華そばだった。
和歌山ラーメンの何たるかは全く分からなかった…
内装の老舗らしい趣は十分に感じられた。
そういうわけで、なんだか風邪もだんだん重くなってきたので終了です。
帰りは虚ろな目をしながら新大阪駅のエスカレーターで左側に立ってたらどつかれました。
やっぱり短期の日程で行き当たりばったりの旅はダメだね…神経使ってしょうがない。

今回は勝浦が結構当たりだったな。宿とか。マグロとか。
港の雰囲気も良かったし。またマグロ食べたくなってきたな…三浦で我慢するか。
あとは白浜のクエ…なんか食べ物ばっかりだな。タイトルの巡礼はどうした。

白浜1227-1350和歌山1359-1528大阪
新大阪1603-0814新横浜